土地から探すのはNG?積水ハウスにインタビューして分かった失敗しない家づくりの進め方

家づくりを考え始めたとき、「何から始めればいいのか分からない」と悩む方は多いのではないでしょうか。住宅展示場へ行く、土地を先に探す、住宅会社を比較するなど、選択肢はさまざまです。

その中でも「まずは土地探しから」と考える方もいますが、この進め方は後から間取りや予算に制約が生じやすく、注意が必要です。

実際に今回のインタビューでも、土地から探したことで後悔するケースは多く見られました。そこで今回は、積水ハウスの営業担当者にインタビューし、実際の提案現場でどのように家づくりを進めているのかを伺いました。

家づくりの正しい順番や失敗しやすいポイントを分かりやすく整理しているので、これから注文住宅を検討する方はぜひ参考にしてみてください。

目次

家づくりは何から始める?失敗しないための正しい順番

Q:家づくりはどの順番で進めるべきですか?

家づくりは、以下の順番で進めるのが基本です。

  1. 理想の暮らしを整理する
  2. 資金計画を立てる
  3. 住宅会社と土地を選ぶ

最初にやるべきは、どんな家に住みたいかを明確にすることです。間取りや広さ、生活動線、家族構成などを整理することで、家づくりの方向性が定まります。

そのうえで資金計画を立て、いくらまでなら無理なく支払えるかを把握します。ここが曖昧なまま進めると、途中で予算オーバーや仕様の妥協につながりやすいです。

その後、住宅会社を比較しながら、土地についても並行して検討していきます。住宅会社ごとの提案を踏まえて土地を選ぶことで、建物とのバランスが取れた家づくりが可能になります。

Q:なぜ最初に土地探しから始めるのはNGでしょうか?

実際に土地から探そうと考える方は多いですが、この進め方は後悔につながるケースも多くあります。その理由として大きく3つあります。

① 間取りが制限される

土地の広さや形状、接道条件によっては、希望していた間取りがそのまま入らない場合もあります。結果として、本来実現したかった暮らしから妥協せざるを得なくなる事態になりかねません。

② 建築条件で自由度が下がる

建築条件によって選択肢が狭まる点も見落としがちです。地域ごとの建築ルールや用途地域によっては、建てられる建物の高さや形状に制限がかかるため、自由な設計が難しくなることがあります。3階建ての物件を建てようと思っても、土地によっては高さ制限や斜線制限などの影響で、そもそも3階建てが建てられないケースもあります。

③ 予算バランスが崩れる

予算が土地に偏りやすくなる点も大きなリスクです。先に土地を購入してしまうと、その分建物にかけられる予算が圧迫され、設備や仕様で妥協することになりやすくなります。

このように、土地を先に決めてしまうと、本来建てたかった家が実現しにくくなります。そのため、家づくりでは土地と建物を切り分けて考えるのではなく、全体のバランスを見ながら同時に検討することが重要です。

この順番で進めるためには、住宅会社ごとの違いや特徴を理解しておくことも大切です。

Q:住宅会社ごとに品質や提案内容に違いはありますか?

この点も、初回の打ち合わせで最初に説明するポイントです。住宅会社は価格帯や提供価値によって、以下のように分類できます。

分類メリット注意点
高価格帯ハウスメーカー・設計自由度が高い(大空間・大開口)
・断熱,気密,耐震など性能が高い
・長く快適に住める
・初期費用が高くなりやすい
中堅ハウスメーカー・価格と性能のバランスが良い
・こだわりを反映しやすい
・会社ごとに性能や保証に差があり、施主側の知識がないと満足のいく家づくりが難しい
ローコスト住宅・初期費用を大きく抑えられる・仕様がシンプルになりやすい
・断熱性や気密性が低く、光熱費が高くなりやすい
・メンテナンス費用がかかりやすい

積水ハウスのような高価格帯のハウスメーカーは初期費用こそ高くなりますが、性能や仕様が高いため、メンテナンス費用や光熱費を抑えやすく、長期的に見るとトータルコストが安定しやすいのが特徴です。

一方で、ローコスト住宅は初期費用は抑えられるものの、設備や性能面の違いから、将来的なメンテナンス費用や電気代がかさみ、結果的に総額が高くなるケースも少なくありません。

積水ハウスの打ち合わせの流れは?

Q:初回の打ち合わせでは何をしますか?

初回の打ち合わせでは、いきなり自社の商品やプランを説明するのではなく、まず家づくり全体の流れを整理することに重点が置かれます。

具体的には、以下のような内容を中心に説明が行われます。

  • 家づくりの全体フロー
  • 土地・建物・資金の関係性
  • 住宅会社を選ぶ際の判断基準

多くの方は、家づくりにおいて何を基準に判断すればいいのかが分かりません。そのため、いきなり具体的な商品説明をされても、他社と比較できず、正しい判断が難しくなります。

まずは全体像を理解し、どの順番で、何を基準に決めていくのかを整理することで、その後の検討がスムーズに進むようになります。

Q:なぜ自社を初回に説明しないんですか?

初回から自社の説明をしない理由は、比較基準がない状態では正しい判断ができないためです。住宅会社ごとの違いや強みは、あくまで比較して初めて意味を持つものです。基準がないまま説明を受けても、良し悪しの判断ができず、結果的に感覚的な意思決定になってしまいます。

また、初回から売り込みを前面に出してしまうと、「営業されている」という印象が強くなり、信頼関係の構築が難しくなる側面もあります。

そのため、まずはお客様が正しく判断できる状態をつくることを優先し、自社の説明よりも顧客理解を重視するスタンスを取っているのが特徴です。

Q:住宅会社を決める上で大切なことは?

住宅会社を選ぶ際に重要なのは、価格だけで判断しないことです。設計の自由度や住宅性能、将来のメンテナンス費用まで含めて、トータルで自分たちに合っているかを見極めることが大切です。そのうえで、住み始めてからの光熱費や修繕費も含めた長期的なコスト(LCC)まで意識しておきましょう。

一見安く見える住宅でも、以下のように長期的にはコストが高くなるケースもあります。

  • 断熱性能が低い → 光熱費が高くなる
  • 外壁の耐久性が低い → メンテナンス費が増える

だからこそ、家は長く住むものとして「初期費用」ではなく、「住み続けるコスト」で考えることが大切です。

住宅会社の見積もりをもらったらどこをチェックすべき?

Q:見積もりで気をつけるポイントは何ですか?

見積もりについては、安さではなく、中身で判断することが大切です。住宅にかかる費用は、建築費だけでなく、その後の光熱費や修繕費も含めて考える必要があります。

例えば、初期費用が安く見えても、後から外壁の補修などでまとまった費用が発生するケースもあります。

そのため、見積もりを見る際はいくらかかるかだけでなく、発生タイミングや将来的な維持費まで含めて確認しましょう。見積もりの段階でリスクを把握しておくことで、想定外の出費を防ぎやすくなります。

Q:何か見積もりについて印象的なエピソードはありますか?

実際に、見積もりの内容によって判断が大きく変わるケースもあります。あるケースでは、他社の見積もりで初期費用が抑えられているように見えたものの、法規上必要となる防火シャッターの費用が含まれていませんでした。

防火シャッターは設置が必須となる設備のため、最終的には必ず費用が発生します。そのため、契約後に追加費用として積み上がっていく可能性があります。

また、見積もり自体も詳細な内訳ではなく、仕様が粗い状態で提示されていたため、どこまで費用が確定しているのかが分かりにくい状況でした。

このように、一見安く見える見積もりでも、必要な項目が含まれていないことで、最終的な支払額が大きく変わるケースもあります。

積水ハウスで「失敗しにくい家づくり」ができる理由は?

Q:積水ハウスの家づくりの特徴は何ですか?

積水ハウスの特徴として挙げられるのが、構造の強さやデザイン性の高さです。構造面では、耐久性や安定性に優れており、長く安心して住み続けられる点が評価されています。

初期の設計段階で仕様をしっかりと確定させるため、後からメンテナンス費用や追加費用が大きく発生しにくくなっています。

また、大空間・大開口の設計にも強みがあり、開放感のある住まいを実現しやすい点も魅力です。設計の自由度と構造のバランスが取れていることで、デザイン性と快適性の両立ができます。

さらに特徴的なのが、住宅単体ではなく、まち全体で設計する考え方です。分譲地などでは、景観や街並みの統一感まで考慮されており、住環境そのものの質が高く保たれやすくなっています。

このような設計思想により、以下のようなメリットが生まれます。

  • 住環境が整い生活しやすい
  • 周囲との調和が取れ、満足度が下がりにくい
  • 将来的な資産価値の維持につながる

単に家を建てるのではなく、長く快適に暮らせる環境をつくる視点が、失敗しにくい家づくりにつながるポイントです。

Q:見積もりや提案の精度が高い理由は何ですか?

積水ハウスが失敗しにくいと言われるもう一つの理由が、見積もりや提案が詳細である点です。見積もりは、項目ごとに細かく分けて提示されるため、何にどれくらいの費用がかかっているのかを把握しやすくなっています。

そのため、金額の内訳が不透明なまま契約が進むリスクが少ないです。また、仕様の確定精度が高い点も特徴です。打ち合わせ段階で内容をしっかり詰めることで、後から大きな変更が発生しにくくなっています。

その結果、契約後の追加費用が発生しにくく、最終的な支払額が想定しやすくなります。見積もりの金額そのものではなく、どこまで確定しているかという精度の高さが、安心して家づくりを進められるポイントのひとつです。

Q:積水ハウスはどのような方に特におすすめできますか?

積水ハウスは、長く住む前提で家づくりを考えている方に特におすすめです。

構造の強さや設計の自由度、メンテナンス性などを重視した住宅のため、初期費用だけでなく、将来的な住みやすさや維持コストまで含めて考えたい方に適しています。

また、デザイン性や大空間・大開口といった開放感のある住まいを実現したい方にも向いていると言えます。

一方で、短期間での住み替えを前提としている方や、初期費用をできるだけ抑えたい方は、ほかの選択肢も含めて検討することが重要です。

まとめ|家づくりで重要なのは順番

家づくりで後悔しないために最も重要なのは、何から始めるかでなくどの順番で進めるかです。

  1. 理想の暮らしを整理する
  2. 資金計画を立てる
  3. 住宅会社と土地を選ぶ

この順番を守ることで、判断の軸がブレずに、納得感のある意思決定がしやすくなります。一方で、いきなり土地探しや住宅会社選びから始めてしまうと、間取りや予算に制約が生まれ、本来実現したかった家づくりから遠ざかってしまいます。

また、住宅会社選びでは価格だけで判断するのではなく、構造や設計自由度、アフターサービスといった観点を含めて比較することが大切です。どの住宅会社が良いかではなく、自分たちに合っているかで判断することが、満足度の高い家づくりにつながります。

まずは全体像を理解し、正しい順番で検討を進めることから始めてみてください。

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この記事を書いた人

住宅購入や家づくりに関する情報を発信する専門チーム。
一級建築士・FPの知見をもとに、住宅会社選びや資金計画を支援しています。

家づくりを検討されている方から多くのご相談をいただいており、
住宅会社選び・資金計画、間取りなど、第三者の視点でサポートしています。

この記事の監修者
一級建築士 松本 栄治
ROOMFELICEの建築士アドバイザーとして、注文住宅の間取り添削・セカンドオピニオンを担当。

SUMU DESIGN 一級建築士事務所を主宰し、住宅設計の実務にも従事している。ハウスメーカー・工務店の提案プランを第三者の立場から精査し、「本当に住みやすいか」をお客様目線で判断できるところに強みがある。

また、家事動線・収納・採光・通風までを総合的に分析し、住みやすさとコストのバランスを最適化した改善提案が可能。設計実務で培った知見をもとに、見落とされがちな課題の抽出・改善ができる
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