ナフサショックとは、建材や設備の原料となるナフサの価格高騰や供給不足によって起こる現象のことです。ナフサは石油からつくられる化学製品の原料であり、影響は建材や設備の値上がりや納期遅延として現れます。
2026年3月からナフサの価格高騰が注目されるようになり、家づくりを検討する方は以下のように戸惑うのではないでしょうか?
- 「また、建材や設備が値上げされるの?」
- 「キッチンや給湯器の納期が遅れるって本当?」
ナフサショック下では、住宅会社との契約を進める際にも注意が必要です。見積条件の見落としがあると、材料や仕様の変更によって大幅な価格上昇を余儀なくされ、後悔するケースも考えられます。
本記事では、ナフサショックの概要から家づくりへの影響、今できる対策までを整理します。最後まで読めば、家づくりを進めるうえで何を確認し、どのように進めるべきか判断することが可能です。
ナフサショックとは?

ナフサショックとは、石油化学製品の原料であるナフサの価格高騰や供給不足により、関連製品の値上がり・納期遅延が広がる現象のことです。
ナフサは、プラスチックやゴムなど、幅広い製品の基礎原料として使われています。
例えば、住宅分野の場合、断熱材や塗料、配管材、設備機器の樹脂部品など、ナフサ由来の素材が多く利用されます。そのため、供給が不安定になると資材価格の上昇や調達遅延が発生し、工期の延長など、家づくり全体に影響を与える可能性が高いです。
住宅1棟あたりの正確な影響額について、公的機関からはまだ公表されていませんが、新築1棟で100〜150万円程度の価格上昇が見込まれるといった意見もあります。
ナフサショック下の家づくりでは、影響を受けやすい材料や設備を整理した上で、早期発注・在庫確保を依頼するなどの対策が必要です。
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ナフサショックが起きている背景・原因

ナフサショックは、単一の要因で起きているわけではありません。本章では、押さえておくべき3つの背景について見ていきましょう。
- 中東情勢の緊迫化
- 日本の構造的な依存体質
- 石油化学業界の供給制約
中東情勢の緊迫化
2026年2月末、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃をきっかけに中東情勢が緊迫化し、2026年3月にはホルムズ海峡が事実上封鎖状態となりました。中東情勢の緊迫により海上輸送が停滞し、石油供給リスクが一気に顕在化しました。
日本が輸入する原油の多くは中東産であり、ホルムズ海峡は日本向け資源輸送の要となるルートです。さらに、日本は輸入ナフサだけでなく、国内で生産するナフサも中東産原油に依存しています。
そのため、通航リスクの高まりは、ナフサの供給不安や価格上昇に直結し、住宅に使われる素材や部材の調達にも影響を及ぼします。
家づくりの観点では、見積の前提となる部材価格が変動しやすくなる点に注意が必要です。打ち合わせの段階で、価格変動時の条件を事前に確認しておきましょう。
日本の構造的な依存体質
日本の製油所は中東産原油を前提に設備や処理工程が設計されており、他地域の原油へ柔軟に切り替えにくい構造です。
ロイターが石油連盟のデータとして報じたところによると、2026年4月11日までの週の日本の製油所稼働率は67.8%でした。中東産原油を短期的に他地域で代替できる割合も30〜50%程度にとどまるとされており、供給不安がすぐに解消しにくい状況です。
▼ロイター通信(2026年4月15日)
https://www.reuters.com/business/energy/japan-refiners-run-two-thirds-capacity-awaiting-crude-outside-gulf-2026-04-15
このような構造的な制約により、ナフサの供給不安や価格上昇はすぐに解消されにくく、住宅関連材料への影響も一定期間続く可能性があります。
家づくりの観点では、状況の回復を待つだけでなく、現時点で取れる選択肢を整理しておくことが重要です。
例えば、断熱材については、石油由来の発泡系素材(ウレタン断熱)から、グラスウールやロックウールといった比較的影響を受けにくい素材に切り替えます。素材に切り替えることで、供給不安の影響を受けにくくなり、家づくりを安定して進めやすくなります。
石油化学業界の供給制約
石油化学メーカーで原料不足が生じると、減産や出荷制限が発生する可能性が高いです。その結果、ナフサ由来製品の供給不足や価格高騰が起こり、住宅用の部材や建材にも影響が広がります。
家づくりでは、一部の部材が不足するだけで施工が止まるリスクがあります。例えば、配管材が届かなければ床工事や設備の据え付けが進まず、断熱材が確保できなければ内装工事に着手できません。このような影響は、単なる値上がりにとどまらず、工期の遅延など計画全体に波及します。
次の章では具体的にどの部材が影響を受けやすいかを解説するので、見ていきましょう。
ナフサショックで影響を受ける住宅建材・設備

ナフサショックの影響は、すべての建材・設備に一律で出るわけではありません。本章では、影響を受けやすい4つの建材・設備と、それぞれの注意点を整理しました。
- 断熱材
- 塗料・防水材・接着剤
- 配管材・樹脂系建材
- 住宅設備
断熱材
断熱材には、ウレタンフォームや発泡ポリスチレンなど、ナフサを原料とする素材が多く使われています。そのため、ナフサの供給が不安定になると、価格上昇や供給制限の影響を受けやすい点に注意が必要です。
具体的には「希望していた断熱仕様が採用できない」「想定以上にコストが上がる」といったリスクにつながる可能性があります。住宅会社との打ち合わせでは、採用予定の断熱材が影響を受けているかどうかを事前に確認しておきましょう。
塗料・防水材・接着剤
塗料や防水材、接着剤はナフサ依存度が高い材料です。価格改定や出荷制限による影響が顕在化しやすく、外装・屋根・防水などの工事費に転嫁され、見積の変動が起こりやすくなっています。
配管材・樹脂系建材
給排水管に使われる塩化ビニル管や、樹脂サッシなどの樹脂系建材(プラスチックを原料とする建材)にも、ナフサ由来の素材が使用されています。断熱材や塗料ほどではないものの、原材料の価格上昇や供給不安の影響を受けやすい領域です。
特に配管材は住宅の基礎部分に関わるため代替が難しく、供給に問題が生じた場合でも仕様変更がしにくくなります。その結果、コスト増加や工期の遅延といった影響につながる可能性があります。
住宅設備
キッチン・トイレ・ユニットバスなどの住宅設備は、部品や内部の樹脂素材を通じてナフサの影響を受けます。急な供給停止というより、納期の長期化や一部モデルの受注制限として現れるケースが多いです。
TOTOがユニットバスの受注を一時停止・調整したケースが2026年4月に報道されたように、必要な設備が必要なときに入手できなくなる可能性もあります。
▼日経新聞:TOTO、ユニットバスの受注を停止 ホルムズ封鎖で材料ナフサ不足
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC132F10T10C26A4000000
採用予定設備のメーカー・品番について、納期や遅延時の代替案、遅延による工期への影響を早めに確認しておきましょう。事前に把握しておくことで、家づくりの遅延リスクを抑えやすくなります。
ナフサショックによる家づくりへの影響

ナフサショックが家づくりに及ぼす影響は、主に以下の4点です。それぞれについて、ポイントを確認しましょう。
- 建築費が上昇する
- 納期が遅延する
- 設備・仕様が変更しやすくなる
- 見積もり・契約条件が変わる場合がある
建築費が上昇する
断熱材や塗料、配管材などナフサ由来の建材が値上がりすると、住宅全体の建築費が上昇しやすくなります。石油不足は材料費だけでなく、物流費を上げる可能性もあるため、見積総額への影響がさらに広範囲に及ぶかもしれません。
新築では、100〜150万円程度の価格上昇が起こる恐れがあります。仕様によっても価格差が生じるため、標準仕様での価格変動と希望仕様での価格変動を確認することが大切です。
納期が遅延する
ナフサ不足で建材や設備の供給が不安定になると、納期が長期化しやすくなります。材料の受注制限や出荷停止が起きると、工事の進行が止まるケースも少なくありません。
工期が延びると、引き渡し時期の遅れや仮住まい費用の増加につながります。スケジュールを組む際は、部材の入荷予定を住宅会社に確認し、遅延リスクの高い材料を早めに特定しておきましょう。
あわせて、代替の可否や先行発注の対応可否も確認しておくことで、工期への影響を抑えやすくなります。
設備・仕様が変更されやすくなる
ナフサ不足により建材や設備が確保できない場合、代替品への変更が求められる場合があります。断熱材や塗料、住宅設備は特に影響を受けやすく、性能やデザインが変わる可能性があります。
例えば、希望していた断熱材が確保できず別の素材に変更された場合、断熱性能や光熱費に影響が出る可能性が高いです。また、キッチンやトイレなどの設備も、納期や供給状況によって別モデルへの変更を求められるケースがあります。
仕様変更はコストだけでなく、断熱性能や使い勝手、将来のメンテナンス費用にも影響します。事前に絶対に変えたくない条件と柔軟に変更できる条件を整理し、住宅会社と共有しておくことが大切です。
見積もり・契約条件が変わる場合がある
資材価格の変動を受け、契約後でも価格変動条項により追加費用が発生する可能性があります。どの費用が変動対象か、価格がいつまで固定されるか、増額時の条件はどうなるかを契約前に確認しておきましょう。
ナフサショックはいつまで続く?

現時点で、ナフサショックの明確な終息時期は示されていません。背景にある中東情勢や物流の不安定さは、短期間で解消しにくい状況です。
短期的には供給不安と価格の高止まりが続き、中期的には代替調達や供給体制の見直しによって徐々に安定していくと見られています。
ただし、ニュース上で状況が落ち着いたとしても、家づくりへの影響がすぐになくなるとは限りません。住宅は複数の材料や工程が組み合わさっているため、供給状況や施工会社の調達力によって影響の出方が異なります。
例えば、ポリスチレンフォームやウレタンなどの断熱材を採用している場合、価格上昇や受注制限の影響が残る可能性があります。そのため、終息を待つのではなく、現時点で取れる選択肢を整理しておくことが重要です。
住宅会社に相談し、影響を受けやすい材料や代替の可否を事前に確認しておきましょう。必要に応じて、グラスウールやロックウールなど、比較的影響を受けにくい素材への切り替えを検討することも有効です。
今、家づくりを検討している方がやるべき対策

ナフサショック下では、材料の値上げや納期遅延を完全に避けるのは難しいと考えられます。一方で、事前の確認や条件整理により、家づくりへの悪影響を防げる可能性があります。以下の3点を参考に、準備を進めましょう。
- 影響を受けやすい建材・設備を確認する
- 補助金や助成金がないか調べる
- 第三者の視点を取り入れて判断する
影響を受けやすい建材・設備を確認する
家づくりの検討では、断熱材や塗料、樹脂系建材などにナフサ依存度の高い部材が採用されているか確認しましょう。
納期遅延や価格変動のリスクがあるかを把握し、代替材料の有無も確認できれば、材料変更が必要になった際の影響を抑えられます。
補助金や助成金がないか調べる
住宅の省エネ化や断熱性能向上を目的とした補助金制度は、毎年継続して運用されています。建材価格が上昇している局面では、補助金の活用により実質的な負担を大きく抑えられます。
ただし、補助金は制度ごとに対象条件や申請期限が異なります。住宅性能や建てるエリア、契約時期によって利用できる制度が変わるため、早い段階で確認しておくことが大切です。
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第三者の視点を取り入れて判断する
住宅会社によって、材料の調達力や有事の対応方針は大きく異なります。1社の提案だけで判断すると、別の会社なら解消できる問題を見落とすリスクがあります。見積条件・納期およびその根拠・仕様変更時の対応を比較した上で、契約する会社を判断しましょう。
比較の軸に「着工数」も加えるのが、ナフサショック下では有効です。着工数の差は、材料仕入れの優先度や調達コストに影響するため、規模感の異なる複数社を確認しておくと判断材料が増えます。
不確実性が高い局面だからこそ、専門知識を持つ第三者が各社の対応内容を整理し判断基準をつくることが、後悔しない進め方につながります。
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家づくりを検討しているなら急いだ方がいい理由

ナフサショックの終息の目処が立ちにくい状況では、家づくりの検討を急いだ方が有利になる可能性が高いです。その理由は、以下の2つです。
- 材料費の上昇リスクを抑えられる可能性がある
- 納期や工期の遅延リスクを回避しやすくなる
材料費の上昇リスクを抑えられる可能性がある
ナフサ由来の建材は価格上昇が続いており、現時点では価格がピークに達しているとは限りません。今後さらに上昇する可能性も考えられるため、早めに検討を進めておくと有利になり得ます。
また、仮に価格が落ち着いたとしても、現在より安くなる可能性は低いと考えております。実際にウッドショックの際も、一度上昇した価格が元の水準まで戻ることはありませんでした。

そのため、現時点では、できるだけ早めに契約して、仕様確定まで進めていくことが、価格変動リスクを抑えるうえで有効かと考えております。
納期や工期の遅延リスクを回避しやすくなる
材料の供給不安が続く局面では、発注順に手配が進むため、後になるほど納期が遅れる可能性があります。場合によっては、一部設備メーカーで受注が一時停止となり、希望する設備を選べなくなるケースも考えられます。
そのため、家づくりでは仕様確定までをできるだけ早めに進めることが大切です。ただし、焦って契約してしまうと、間取りや設備を十分に検討できず、入居後の後悔につながる恐れがあります。
大切なのは、スピードだけを優先するのではなく、価格・納期・仕様変更時の条件を確認しながら、納得できる内容で進めることです。ナフサショックのように不確実性が高い状況では、契約前に比較すべきポイントを整理しておく必要があります。
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まとめ|ナフサショック下の家づくりは判断基準の整理が大切

ナフサショックは建材・設備の価格や納期に影響しやすく、家づくりの不確実性を高めます。だからこそ重要なのは、影響を受けやすい箇所の特定と、契約条件の整理です。
より具体的な観点としては、着工数の多い住宅会社と早期に契約し、仕様決定をできるだけ前倒しで進めると、リスク低減につながりやすいと考えられます。着工数に着目する理由は、以下の3点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仕入れの優先 | 資材の受注調整があった場合でも、日頃の取引量や着工数の多い住宅メーカーから優先的に確保される傾向がある。一方で、着工数の少ない住宅会社は、仕入れの優先度が下がってしまう |
| 仕入れの単価 | 着工数が多いほど、資材の仕入れ単価も下がる傾向にある |
| 倒産リスク | 上記2点に伴い、着工数の少ない住宅会社は利益率の悪化・資材の仕入れ難が生じやすくなるため、資金難からの倒産も予想される |
上記のように、ナフサショック下での家づくりにおいては、判断基準をしっかり整理してから進めましょう。

